君に奇跡が起きますように



暴れる男から逃げ、夜に家を出て、町を歩く日々。

男にすがってしか生きていけない母親が、惨めだと思った。

自分はそうならないと誓った。

そんな中で出会った奴らに勧められて髪を金色にした。

スッキリした。


やってやったぞ、と誰かに叫びたくなった。


中3になったばかりのある日、酔ったそいつはあたしを犯そうとした。

その時は股間を蹴り飛ばして逃げたが、母は耐え切れずついに別れた。


それから、夜の仕事を始めた。

今度は気持ちが悪い客を連れてくるようになった。


今度こそ居場所がなくなった。

どちらにせよ、吐き気がする。

それでも家以外では明るく振舞っていたけど、それもバカバカしくなってやめた。