家から歩いて10分の距離にある花時計。
隣町に住む高橋君との、待ち合わせやバイバイする場所は、いつもここだった。
「心、!」
あの頃と変わらない声で私を呼ぶ高橋君。
思わず立ちすくむ。
にこにこと笑って手を振る彼の姿を見ていると、
今もまだ、あの頃のまま付き合ってるんじゃないかと錯覚しそうだった。
「久しぶり!
来てくれてありがとう!」
そのまま動けずにいると、いつの間にか高橋君がそばに来ていた。
「久し…ぶり」
高橋君の態度があまりにも普通な事に動揺して、それ以上言葉が続かない。
「返事来なかったし、来てくれないかと思った。」
だって、無視しようと思ったんだもん。
…何て言えない。
結局、気になって来ちゃったし。
てゆうか…
「一体何の用なんだろう。」
えっ?
「って、顔してるな。」
高橋君が私の顔を見つめながら苦笑している。
びっくりした!
思わず口に出しちゃったのかと思ったよ。

