「ひっ!」「わっ…」「わわわ!!」

映画が進むにつれ 奏太の方が
びびってしまっている 様子だった。

少し 距離を置いて
座っていた はずが
奏太は 少しずつ 距離を縮めてきていた。

「もしかして 怖いの?」

ビビる奏太に あかねは
ストレートに 問うも

「怖くない。 苦手なだけだ。」

「へぇー。怖くないんだ。」

そう言うと あかねは 試しにまた
少し 距離を置いて座ってみた。

「ひっ!」

奏太は また 少し距離を縮めた。

( やっぱり 怖いんじゃん…笑
私が 怖がるはずだったんだけどな。笑)

そう 思いながら 奏太の
手をそっと握った。

「怖くないから 大丈夫。」

奏太は 無言で 映画を見続けていた。