その日の仕事を 終えた
あかねは 真っ直ぐに
奏太の家へと 向かった。

ピンポーン!

奏太は すぐ 出て来た。

「なんの 用だ?」

「一緒にご飯 食べよう♪」

そう言って 部屋に上がりこんだ。

「え。いい匂い!カレー?
作ったの?おいしそう♪」

「誰も 食わせてやるとは
一言も 言ってない。」

「いいじゃん。食事は
ひとりより ふたりの方が
おいしいの!」

奏太は 仕方なく ふたり分の
カレーを 装った。

「いただきまーす」

「お、おいしい…
あんたって 料理もできるのね。」

「カレーくらい 誰でも作れる。」

「まぁ そうよね。ね?
なんで今日 撮影現場にいたの?
私が いるって 知ってたから?」

あかねは カレーを食べながら
昼間 撮影現場にいたことを
聞いてみた。

「たまたま 隣のスタジオで
撮影があったから 覗いただけだ。」

「ふーん。笑」
( また 素っ気ない返事しちゃって)

「ね? ホラー映画すき?」

「別に 好んでみない。」

「食べ終わったら 一緒に見よう!
さっき 借りてきたの!
ひとりじゃ 怖くて 見れなくて…」

「なら わざわざ ホラー映画なんて
借りるな!」

「じゃあ 奏太は 普段
なに 借りてるのよ?」

「…。色々だ。」

「今の間はなに!?
もしかして…あんたもそういう
大人な DVD 借りることあるの?!
健全な証拠だし…
それは仕方ないことよね…」

「な!?誤解だ!!!
そんなものは 借りない!」

奏太は珍しく 大声で 否定した。

「ふーん。」

あかねは 目を細めながら
奏太の 顔色を伺っていた。

「なんだ!その疑いの目は!」

「別に。笑」