「なにそれ?」

「ほら!最近 増えてるって
言うでしょ?知らない?
他者に 恋愛感情も
性的思考も 持たない人よ。」

「そんな… まさか!?
でも 確かに…
酔っ払っていたとは 言え…
二日も 無防備な姿を晒したのに
一切 手は出してこなかったわ。」

「よっぽど 義理硬い誠実な男か。
無性愛者ね。あ!コート!」

「ん?」

「見てこれ。笑」

美咲の スカートは
スリットが 思いっきり破れていた。

「餌(太もものチラ見せ)に
食いついてくるか 試したら
破れちゃったの。笑
コートで 隠してくれるあたりは
紳士だけど…」

美咲は 奏太が コートを
忘れて帰ってしまったと
あかねに 伝えた。

「あんたこれ 届けて来なさいよ?」

「なんで私が… 」

「行かないの? じゃあ わた…」

あかねは すっと立ち上がり
水を 一気飲みした。

「仕方がないわね。
美咲がそこまで 言うなら
届けて くるわ。」

そう 言い残し 奏太の 家へと向かった。

酔っていた はずなのに
急に シャキッとした あかねの姿をみて

「全然 恋心冷めてないじゃん。笑
本当、わかりやすい子。」