「帰るわ…」
抱きついて しまったこと
昨日の朝 奏太の笑顔をみて
少し 胸がきゅんとして
しまっていたこと
酔っていたとは いえ
奏太の 家に来てしまっていたこと。
私は 彼を 好きになりかけて
しまっているんではないか?
自分の気持ちに 戸惑い
動揺を隠せなかった。
心ここに在らずの ような
フラフラした 足取りで
部屋を 出ていった。
そんな あかねの 後ろ姿を
みていた 奏太は
「二日酔いに 今頃気づいたのか?」
と 首を傾げながら
あかねの 人間性に 驚いていた。
無鉄砲な 行動と
自由奔放な 性格。
自分は 絶対に そのような行動は
取らない自信が あった奏太は
自分とは真逆の 人間だと
思いながら 後ろ姿を
見送った。
