「これこれ。」
あかねは 隆に あの新聞の記事を見せた。
「どれどれ…」
隆は 真剣に 目を通していた。
「いい 表情してるな。
切ない顔だけど いい写真だ。」
と、言った瞬間に 撮影:内田 奏太の
文字に 驚いた。
「これ このカメラマンと
撮影したのか?」
あかねは お酒をがぶ飲みしながら
平然と その経緯を話はじめた。
「違う違う。
それは 隠し撮りみたいな感じ。
偶然 同じ場所に いて
撮っただけみたい。」
「そっか。この カメラマンと
会ったことは?」
「あるよ。 無愛想で 感じの悪いやつ。」
「はは。笑 そっか。」
「なに? 隆も このカメラマンと
仕事したことあるの? 知り合い?」
隆は 咄嗟に嘘をついた。
「いいや、ないよ。笑
いい 写真を撮る人だから
今度 撮って貰おうかなー。笑」
「腕は いいみたいよ。笑」
あかねは 嬉しそうに
奏太の事を 隆に 話していた。
奏太の話を 嬉しそうに話す
あかねの 表情を見て
隆は いいようには 思わなかった。
