「これこれこれこれ!!!!」

ひとりの スタッフが
慌てて 事務所に戻ってきた。

「なんだ そんなに慌てて。」

マネージャーとそのスタッフの会話を
よそ目に あかねは
自分の 美貌に うっとり
舞い上がっていた。

鏡を見つめ 色んな表情を浮かべ
頬を膨らましたり 舌を出してみたり
いつもとは 違う 茶目っ気のある
ポーズも とってみたりと
喜びを 隠しきれないようだった。


「これ!!!!!
こんな 撮影してませんよね!?」

そう言って 一枚の新聞を
どーんっと 机に広げた。

「こここ これは!?
あかねじゃないか!!!??」

「ううう…うつくしい!!!」

涙を目いっぱいに浮かべ
儚げに 海を見つめる横顔。
その 瞳に 夕日が少し差し込んで
雰囲気のある 綺麗な一枚だった。