傘を 返さなきゃいけない。
変な正義感と あのストーカーに
一言 文句を言ってやらないと
気が済まない。
晴れた日も 曇りの日も
その傘を 持って出かけた。
駅に着くなり 周辺を見渡す。
いない。
この颯爽とした 人混みの中で
一度あっただけの人を 見つけることは
困難なことだった。
数日たった ある日
そんな自分の行動が 急にバカらしく
思えてきた。
「この私を 待たすなんて…
傘の一本や 二本
律儀に 捉えることなかったのよね。
なにしてんだろ、私。笑」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…