「早奈英〜♪」
その時、少し離れた所から
亮平と葵の姿が見えた。
亮平がこっちに向かって手を振る。
「亮平くんだーっ♪」
早奈英はさっきまでと人が変わったように
亮平の姿を見て嬉しそうに手を振った。
わかりやすいなー(笑)
「うわっ、早奈英達、女子なのに
テント張りやってんの⁉︎」
「そうだよー(泣)
ひどいよねー‼︎」
「可哀想になー(笑)
ま、ひなたなら馬鹿力で
楽勝なんじゃん⁇(笑)」
亮平はそう言うと
あたしの方をちらっと見た。
「何よ〜。あたしも女です〜。」
亮平を軽く睨む。
「ははは♪わりぃ、わりぃ♪」
「亮平くん達は何担当なの⁇」
「俺らはライン引き。
けど葵が働かねぇーんだもん。
な、葵‼︎」
「ばーか。お前がサボってんだろ。」
葵はそう言うと
亮平を真顔で見た。
「ははは♪バレちまった♪」
亮平ははにかみながら
頭を掻いた。
「相変わらずだね〜亮平は。
ほら、早奈英譲ってあげるから
テント張りしてね〜♪」
「えっ、ひなたっ‼︎」
あたしの言葉に
早奈英は頬を赤らめる。
「お、さんきゅ♪
よし、早奈英頑張んぞー♪」
「はーいっ♪」
あたしは嬉しそうな早奈英を置いて
テント張りから離れた。
「サボんなよ、アホ。」
「わかってますよーっだ。」
葵はあたしにそう言うと
ライン引きを手渡した。