それからしばらくは、
2人で空を眺めて
色々な話しをした。
同じような過去を持ってて、
同じように辛い思いをしてきたからこそ
分かり合えたんだって、そう思う。
葵に出逢わなかったら、
きっと今でもあたしは
暗闇の中から抜け出せずにいたと思う。
人を信じる事を
知らないまま、
生きていったと思う。
「今日は本当にありがとね…。」
「別に。子供は早く寝ろよ。」
「そっちこそ。」
「じゃあな。」
「うん。おやすみ。」
「おう。」
家の玄関まで送ってくれた葵は、
この間みたいに特に何か言うわけでもなく
静かに帰っていった。
その日、あたしは今までに無いくらい
綺麗な気持ちで眠りにつけた気がした。
生まれてきて良かったと、
少しだけ…
少しだけ思えるような気がした。

