「はぁ…はぁっ…。」


全速力で走ると、
学校が見えてきた。

葵の姿はもう見えなくなっていて
あたしは一人で走る。



「あんにゃろー…。
置いて行ったなぁ…。はぁっ…。はぁっ。」





「‼︎」



あ‼︎やばいっ…。
正門の扉閉めようとしてる‼︎



学校が見えてきたのと同時に
先生達が正門の扉を
閉めようとしてるのが見えた。

あの扉を閉められると
遅刻決定で、先生達からの
きつ〜いお言葉が待っている。




やばいやばいやばい‼︎
急げーっ‼︎






「わっ…‼︎」


ードンッ‼︎ー



あと200メートルくらいで
正門を通れるというとこで
前を走ってた人にぶつかった。


その拍子で
水たまりに尻もちをついた。


「最悪…。」


それと同時に
正門の扉が完全に閉まったのが見えた。


遅刻決定な上に
スカートびちょびちょ…。
スカートどころか下着まで
水が浸透していた。



「わりぃ‼︎大丈夫⁉︎」


「あ‼︎い、いえ…
こちらこそすみません‼︎」


ぶつかった人に声をかけられて
我に返り頭を下げる。





「「あ…」」