「まだおばあちゃんが若い頃、
おばあちゃんもあの空き地で
星を見るのが好きだったんじゃよ。」
おばあちゃんは
昔を思い出すように
口を開いた。
「あの空き地で、おじいちゃんと出逢って
恋をして、ひなこがお腹に宿った事を
2人で喜んで…。」
ひなこ…。
「お母さん…。」
「ひなこが大きくなるのを
おじいちゃんと見守ってきて
そしてひなこのお腹に
ひなたちゃんが宿った。」
あたしが…。
「ひなたちゃんは
みんなの宝物になった。」
「宝物…⁇」
「そうじゃよ。だから、
あの空き地はおばあちゃんにとって
大切な大切な思い出の場所。
苦しい時も悲しい時も、
嬉しい時も楽しい時も
いつだってあそこに行くと
落ち着いたんじゃ。」
あの場所は…
おばあちゃんとおじいちゃんが出逢って…
お互いを好きになって…
結婚してお母さんが産まれた。
だから今のあたしがいる…。
「だけど…
あの子のせいでひなたちゃんは
苦しい思いばかりしてきた…。
本当にすまないねぇ…。」
おばあちゃんは悲しそうに
あたしに頭をさげた。
「ひなたちゃんとあの子は、
お互いの事を何も知らないまま
離れ離れになってしまったからねぇ…。」
違う…。
おばあちゃんが悪いんじゃない。
「おばあちゃんは悪くない。
それに、あたしはあの人と
分かり合いたいなんて
思ってないから大丈夫だよ…。」
「そうかい…。」
あたしがそう言うと
おばあちゃんは少しだけ
寂しそうにうつむいた。

