車があたしに勢いよく
向かって来る。
あ…
ぶつかるかも…。
無理。避けきれない。
突然の事で体も
全然動かない。
「‼︎」
「バカやろうっっ‼︎」
ーグイッ‼︎ー
ぶつかるかも、
そう思って諦めた時だった。
華奢に見えるけど
しっかりしてる腕に
勢いよく引っ張られた。
そしてそのまま
あたしは葵の上に倒れた。
「おいバカ‼︎
ちゃんと周り見て歩かねぇと
危ねぇだろ‼︎」
「…。」
ビックリした…。
車が来たのにもビックリしたけど…
葵に引っ張られたことが
一番ビックリした…。
「おい、聞いてんの⁇」
「…。」
「おい、いい加減重いんだけど。」
重い…。
そっか重いのか。
そっか、そっか。
ん…⁇
重い⁇
何が⁇
ー‼︎ー
「わっっ‼︎‼︎
ごごごごご、ごめん‼︎」
ようやく我に返り
自分のしていたことに気づく。
あたしは慌てて
葵の上から降りた。
「ったく。どんくせー奴。」
「ごめん…。」
「行くぞ。」
「はい…。」
葵に言われ
素直に頷く。
だけど、
「立てない…。」
「は⁇」
「腰が抜けた…。」
「ったく…。」
腰が抜けて立てないあたしを見た葵は
ため息をついて手を差し伸べた。
「ほら。」
「ごめん…。」
素直に葵の手を取る。
そしてそのまま黙って
葵の後ろをついて行った。

