まだ温かいコーンポタージュを一口飲む。
「あったかい…。」
コーンのつぶつぶと
濃厚なスープが
いつも以上に美味しく思えた。
冷えきった体が
少しずつ暖まっていく。
「ありがとう、櫻木…。」
「おう。」
それからどのくらい空を
眺めていたのだろう。
ふと、携帯に目をやると
夜の9時がまわっていた。
「あたし帰んなきゃ…。」
さすがに連絡無しでこの時間じゃ
おばあちゃんも心配してるだろうし…。
あたしは飲み終わった缶と
鞄を手にもって立ち上がる。
「家」
「え⁇」
「家どこ⁇」
「どうして⁇」
「送ってく。」
葵はそう言うと立ち上がった。
「い、いいよ別にっ‼︎
すぐ近くだし‼︎」
あたしは慌てて首を横に振る。
「もし何かあったら一緒にいた
俺のせいになるし。
面倒くせーし。」
なっ…‼︎
面倒くさいって…
「一応、女だし。
行くぞ。」
「だから、一応って失礼でしょ‼︎」
「はいはい。」
葵は左手をヒラヒラさせて
歩き出した。
やっぱり嫌な奴…。
「もお‼︎待ってよ‼︎」
あたしも後ろから
小走りで葵の後ろをついていった。

