星空の日に



「はぁ…。寒っ…。」

鞄を手に持って
下に向けていた視線を上げた。






ー‼︎ー


その時、こっちに向かって歩いてくる
人影が見えた。



それは…



「櫻木…⁇」





あたしの視線の先には
確かに葵がいた。

こっちに向かって歩いてくる。


手には…






温かいコーンポタージュの缶を
2つ抱えていた。




「ん。」

「へっ…⁇」


葵は、暗い中でも顔が
はっきり見える位置まで
近づいてきて
手に持っていた飲み物を
あたしに1つ手渡した。



「な、なんで⁇帰ったんじゃ…。」

「誰も帰るなんて言ってねーし。」


葵はそう言うと
首をかしげた。


「この辺、自販機もねーの⁇
結構歩いたんだけど。」

面倒くさそうに頭を掻く。



「これ…あたしが寒いって言ったから…⁇」

「別に。飲みたかっただけ。」



葵はそう言うと
缶を開けてさっき座ってた場所に
再び腰を下ろした。



「変な奴…」

「あ⁇」

「別に…。」



本当に変な奴。
嫌味ったらしいし、
無口だし、
面倒くさがり屋だし。


だけど…

ちょっとだけ、

本当にちょっとだけ

良い奴なんじゃないかって思えた。



あたしも缶を開けて
葵の隣に再び腰を下ろした。