星空の日に



「クリスマスにもお正月にも
あたしの誕生日にも帰って来なかった。
だから家族がいてくれる有り難さとか、
暖かさとか、何にも分かんない。
もう、声だって思い出せないし
顔も薄っすらとしか思い出せない。」


「…。」



「櫻木は…なんでお父さんに
ついてきたの⁇」



「まぁ、簡単に言うと
俺捨てられたんだ。」


「え…。」


「あんな最低男との子供なんて
いらないって言ってた。
親父似だっていつも言ってたから
俺を見ると親父のこと思い出すんだと思う。
後は…親父への復讐。」


「復讐…⁇」


「親父の全てを壊してやるんだ。
俺の人生狂わした親父を。
だから近くにいて様子伺ってんの。」


葵は表情を変えないでそう話した。


「あたし…こうやって
自分のこと話したの初めてだ…。」

「そっか。」




なんでか分からないけど…
誰でもいいから
話を聞いてほしい自分がいた。

ずっと一人で抱え込んでいた思いを
葵に話せたことで少しだけ
楽になった気がした。