ーコンコンー

静かな部屋に
ドアがノックされる音が響く。


ーガチャッー

「ひなたちゃん??おはよう。」

優しいおばあちゃんの顔が
あたしの部屋を覗く。


「おばあちゃんおはよう。」


「ひなたちゃん、具合でも悪いのかい??
顔色、あんまり良くないねぇ」


おばあちゃんはそう言うと
心配そうな表情であたしの
額に暖かい手を置く。


「ん、大丈夫よー。心配いらないよ」

「学校行けそうかい??」

「うんっ。準備したら下に降りるから
一緒にご飯食べようね。」

「無理は禁物じゃよ。
下で待ってるね」

「はーい♪」




おばあちゃんは優しく微笑むと
下に降りていった。


「よし…」

ベッドから降りて教材を適当に
鞄につめて、制服の袖に腕を通す。


この部屋ももう見慣れた。
おばあちゃんがあたしの為に
買ってくれたベッドも勉強机も
今ではすっかり古くなった。



部屋の窓からかすかに入ってくる風が
妙に気持ち良かった。