「櫻木…⁇」




後ろを振り返ると
そこには左手に学校鞄を抱えた
葵が立っていた。




「お前、なんでここにいんの⁇」


呆然としているあたしを見て
不思議そうに葵が口を開いた。



「え…⁇
そ、それはこっちのセリフ…。
この場所なんであんたが知ってるの⁇」


「たまたま。
引っ越して来たばっかだから
散歩してみよーと思っただけ。
そしたらお前がここにいた。」


葵はあたしの質問に
淡々と答えた。


「お前は⁇」

「え…⁇」


「俺の質問、まだ答えてもらってないんだけど。」



葵はそう言うと
あたしの方に近づいてきた。


「む、昔からあたしにとっての
特別な場所なの。」


「ふーん。」


葵は興味なさそうに
あたしとの距離を少し空けて
隣に座った。




本当に聞く気あるのかなコイツ…。




隣に座る葵をじーっと見る。




「何見てんの⁇
喧嘩売ってんの⁇」


それに気付いた葵は
あたしの方に視線を向けた。



「べ、別に。」


あたしは慌てて視線を外した。