だけどここに来ても
目をつぶると昔の事をよく思い出す。


毎日泣いていたこと。
毎日部屋に閉じこもっていたこと。
毎日心の中で母の存在を殺していたこと。




そんなあたしを
ただただ、優しく
抱きしめてくれたおばあちゃん。

あたしの欲しい物だって
なんだって買ってくれて、

運動会にも、授業参観にも
文化祭にも欠かさず来てくれた。


そして、
この空き地から見上げる
星空を教えてくれたのも
全部、全部おばあちゃんだった。



「星まだかなぁ…。」






心地いい風に吹かれながら
あたしは静かに目を閉じた。