星空の日に



「もしもし。佐々原です‼︎」


職業病なのか、いつお客様から
電話が来ても良いように
いつのまにか電話の出方も
こんな感じになってしまっていた。



『ぷっ…。』


ー⁇ー


そんな中、電話の向こうからは
少し吹き出すような声が聞こえてくる。




「あの…」

『俺。』



ー‼︎ー










その声を聞いた瞬間。
あたしは携帯を落としそうになった。


急に涙が溢れ出てくる。

どんなに耐えようとしても、
手は震えて、何も言葉に出来ない。






『おーい。聞こえてんの⁇』

「っ…。」

『…泣いてんの⁇』






電話の向こうは、
聞きたくても聞けなかった
愛しい人の声。

葵からの電話だった。



「泣いて…ないもん…。」

『そっか…。』

「珍しいね…いきなり電話なんて。」

『そうだな。なかなか、連絡取れなくて
悪かったな。』

「ううん…。全然…大丈夫。
元気にしてるの…⁇ご飯は⁇
ちゃんと食べて…寝れてるの⁇」

『ん。ちゃんとしてる。』

「そっか…。何…してた⁇」




あたしは夜空を見上げながら、
葵の顔を思い浮かべていた。




『ひなたは⁇』

「あたし⁇
あたしはね…」

『空き地で星見てる。』

「…え⁇」

『だろ⁇』

「なんでわかっ…」

『俺もその空き地に星見に来た。』






ー⁉︎ー






その言葉を聞いた瞬間、
あたしは勢いよく立ち上がって
辺りを見回した。









「あっ…。」