あれから6年ー
「では、新郎、新婦さまの
ご入場後に先ほど話されていた
演出を、という事でよろしいですね⁇」
あたしは専門学校を卒業した後、
バイト先だった結婚式場に
就職して毎日、多忙な生活を送っていた。
慣れない事の方が多くて大変だけど、
プランナーとして働く日々は
あたしにとってかけがえのない
生きがいになっていた。
「それではまた、今週末に
お待ちしております。」
この日も朝から、来月に
結婚式を控えている夫婦との
打ち合わせをしていた。
「ふぅ…。」
仲睦まじく帰っていく
夫婦に頭を下げて一息つく。
「佐々原さーん‼︎
お客様が見えてますよー。」
「あ‼︎はーい‼︎今行きます‼︎」
同僚に声をかけられたあたしは、
休む暇もなく、お客様を出迎える
場所へと戻った。