「じゃー、そろそろ行くわ。」



葵はそう言うと、足元に置いていた
荷物を持ち上げた。



「葵くんあっちでも頑張ってね‼︎
私達、ずーっと応援してるから♪」


「たまには連絡しろよな♪」


「さんきゅ。亮平には
気が向いたら連絡する。(笑)」


「くはー‼︎最後まで
俺には容赦ねーな‼︎」




早奈英や亮平も、
葵の見送りに来てくれていた。


そんな三人をあたしは
少し後ろで見つめる。



「ひなた。」


ー‼︎ー



「あ、はい‼︎」




そんな時、葵に声をかけられた
あたしは葵の声で我に返った。





「行ってくる。」

「…うん。気を付けてね。」

「ん。風邪引くなよ。」

「葵の方こそっ。」

「分かった。…じゃ、また連絡する。」

「行ってらっしゃい…。」






あたしが手を振ると、葵は
少しだけ微笑んで
あたし達に背を向けて歩き出した。
















「葵っ…‼︎」








その背中を見て、
あたしは咄嗟に葵を呼び止めた。











「あたしも…頑張るからっ‼︎
葵に負けないようにっ
いっぱいいっぱい頑張るから‼︎
会いにだって行くしっ…、
これからもずっと…‼︎
ずっと‼︎大好きでいる‼︎」






遠く離れて行く葵に、
あたしは最後に自分の気持ちを
精一杯伝えた。


この気持ちが、
2人の気持ちが…
永遠に変わらないように。








「嘘ついたら覚えとけよ。
ずっとって言ったからな。」



「…うんっ。」









あたしが葵の言葉に大きく頷くと、
それを見た葵は安心したように
あたし達の前から去って行った。











「ひなた…。大丈夫⁇」

「うん…。大丈夫。
だって葵はあたしとの
約束は絶対守るって…
そう言ってくれたから。」

「だな‼︎葵はああ見えて
しっかりしてるし、
何も心配いらないさ‼︎」



亮平はそう言って、
あたしの肩を軽く叩いた。









きっと大丈夫。

これから先何があっても
今までより辛い人生なんてない。


人生は楽しい事と悲しい事。
半分、半分で出来ているって
昔誰かに聞いた。

今までの人生は、辛くて
苦しくて、悲しくて…。

そんな人生だったから
これから先は楽しくて、嬉しくて…
幸せで満ち溢れる人生だと、
心から信じていたい。







あの日、葵と見た星空を
またいつか一緒に見られるその日まで
あたしは強く、生きていきたいと思った。


星空の日に葵がくれた希望や幸せが、
あたしの宝物になったように…

葵にとってもあたしと出会えた事が
葵の宝物でありますように。



葵との出逢いそのものが、
あたしにとって運命でありますように。







神様。
素敵な人生を与えてくださって
本当に本当に…
ありがとうございます。














☆End…。