「…行こっか。」
「ん。また来年来ような。」
「…うん。」
しばらくその場に居た
あたしと葵は、もう一度
手を合わせてから立ち上がる。
「お母さん…またね。」
クリスマスムードで賑わう街中は、
家族連れや、カップルで溢れていた。
その人混みの中を、はぐれないように
しっかりと手を繋ぎながら歩く。
あたしと葵は、街中を抜けて
いつもの帰り道へと出た。
寒い中を並んで歩いて、
辿り着いた場所。
それは、いつもの空き地。
「やっぱりここが一番落ち着く…。」
「そうだな。」
あたしは木を見上げながら
腰を降ろそうとした。
「ちょい待ち。」
「え⁇」
その時、葵が腰を降ろしかけていた
あたしの腕を掴む。
「どうかした⁇」
「ん。」
葵はいつものように短く答えると、
あたしが座る所にハンカチを
敷いてくれていた。
「冷たいから。」
「…ありがとう。」
あたしが微笑むと、
つられて葵も微笑んで
あたしの頭を少し撫でた。

