「あの日…。」
「あの日とは⁇」
写真を握りしめながら
溢れる涙を堪える。
「あたしと初めて再会した日…。
どうしてあの日ははっきりと
あたしだと…分かったんですか…⁇」
見えないのに…
どうしてあたしだと
はっきり分かったのか。
あたしはそれが
不思議で仕方なかった。
「親子だからだろう。」
「…え⁇」
葵のお父さんの言葉に
あたしは言葉を無くした。
「どんなに離れていても、
どんなに恨み合って
憎しみ合っても…親子だから。
血は変えられない。
見えない状況で君だと分かったのは
ひなこは紛れも無い…
君の母親だから。君を…
心から愛していたから。
離れたあの頃と姿は変わっていても
君自体をひなこはしっかり
覚えていたんだ。」
「母親…だから…。」
「ひなこは…君の事を
本当に心から愛していた事を…
どうかいつまでも
忘れないでいてほしい…。
私が伝えたかったのは
それだけだ…。」
葵のお父さんから聞いた話は…
13年間あたしの心にあった
荷物をスッと軽くしてくれた様な気がした。
お母さん…。
ごめんね。
あたしのことをあの頃と変わらず
愛してくれていて…
ありがとう。

