『必ず迎えに行くからね。』
あぁ…
また思い出した。
こんな時に限って、あたしにとって
「優しい母親」だった時の事を思い出す。
あの頃の優しい笑顔も、
優しい声も、
今ではすっかり忘れてしまった。
あたしの前からいなくなったあの日。
もう二度と人を信用しないと思った日。
絶対に許さない。
そう…
思っていたのに。
こんな状況になって
ようやく心が揺らぐなんて…
本当にあたしは…
何をやってるんだろう…。
ーピーポーピーポーー
しばらくして、救急車と警察が来た。
「どいてください‼︎
怪我人の方はどちらですか⁉︎」
救急車の人達が担架を持って
あたし達の元へと駆け寄って来た。
「お願いします‼︎どうかひなこを…‼︎」
「ひなた…後はこの人達に任せよう…。」
「…。」
葵に言われ、放心状態のあたしは
血だらけになった女の体から離れた。
「…‼︎」
その時だった。

