星空の日に






声のする方を振り返る。



そこには奥の部屋から
顔を覗かせるあの女がいた。



「っ…‼︎」

「ひなたよね…⁇
ひなたっ…‼︎会いたかっ…」



ーガシャーン‼︎ー

「あっ…」
「ひなこ‼︎‼︎」




家の中を手探りで歩きながら
あたしに近付いて来ると、
つまづいてそのまま倒れ込んだ。



「大丈夫かひなこ‼︎ケガはないか⁉︎」

「ひなたっ…ひなたっ‼︎‼︎」



あたしは倒れ込むそいつを
ただ黙って見ていた。


あたしが見ているその光景は、
小さい頃に見た
『母』の面影はなくて、
酷く痩せこけて、目が見えないせいで
沢山転んだのか、体中にアザがあった。

そして、
倒れ込んでもあたしの名前を
何回も何回も呼んでいた。



「ひなたっ‼︎そこにいるのよね…⁇
あぁっ‼︎ひなたぁっ‼︎」

「…。」



そんな風に…
あたしの名前を呼ばないで。

いくら泣き叫んだって
絶対に許さない。

どんな状況でも…
あたしがあんたを恨む気持ちは
何一つ変わらない。


「ひなこ落ち着け‼︎」

「だってひなたの声がしたわ‼︎
絶対、聞き間違えるはずなんてないもの‼︎」

「っ…‼︎ひなこっ…‼︎ひなこ‼︎」




泣き叫ぶそいつの背中を
葵のお父さんは強く抱きしめていた。