白い息を吐きながら
イルミネーションで賑わう街を
ひたすら走る。
カップルで溢れかえる人混みを
かき分けながらただただ
無我夢中だった。
乱れる髪も、外気で冷たくなる頬も
赤くなる鼻も何も気にならなかった。
葵の話が本当に事実だとしても…
こんなの許されていいはずがない。
あの女のせいで、あたしや
葵の人生まで壊された。
あたしのことを本当に
愛していたんなら…
どうしてこんな惨めな思いをさせるの⁇
「はぁ…はぁ…。」
ひたすら走って辿り着いた先。
それは葵の家だった。
家の前に葵のお父さんの車がある。
きっと…
あの女はここにいる。
そう思えて仕方なかった。
ーピンポーンー
ードンドンドンッ‼︎ー
インターホンを鳴らすと、
あたしは力一杯ドアを叩いた。
「はいー。」
ーガチャッー
何回かドアを叩くと、
中から声がしたのと同時に
ドアが開いた。

