「ひなこの前から姿を消してからは、
何とか忘れようと必死だった。
それ以外は全て順調で…
医大を卒業して地元を出てから8年。
勉強や研修を終えて
俺はやっと眼科医になったんだ。
だけどその頃、ひなことひろあきから
結婚の報せが届いたんだ。
それなりに辛かったが…
あぁ、これで諦めがつく。そう思った俺は
それをキッカケに
荷物をまとめて地元に帰って来た。
帰って来てからは俺も直ぐに
母さんと知り合って結婚して…
俺にも大切な物が出来た。葵。お前だよ。」
「…。」
「お前はすくすく育ってくれたし
母さんとも上手くいっていた俺は、
幸せな家庭を築いていた。
ちゃんと幸せだったし、
母さんと結婚した事を
心底、良かったと思っていた。
だけどそんなある日だった。
お前が4歳になった頃…。」

