「いつ…話そうか迷ってたんだ。」
「え⁇」
沈黙が続いてしばらく経った頃。
葵は小さな声でそう言った。
「お前の顔を見たら、いつも
話せなくなってる自分がいて…。
今日みたいな日に話す話じゃ
ないかもしれない…。
だけどこれ以上はこれから先、
きっと話せなくなると思った。」
「何のこと…⁇
気になるんだけど…。」
さっきまでと様子の違う
葵を見て不安になる。
「一つだけ…約束してほしい。」
「…うん。」
不安そうにあたしを見る葵を見て、
あたしは静かに頷いた。
「これから先、何か大きな物を
失ったとしても…俺の事だけは
信じていてほしい。
お前の傍にいるのは俺だけだって…
何も疑わないで信じていてほしい。」
ードクン…ドクン…ー
心臓が少しずつ
速くなるのが分かった。
「…うん。」
不安な気持ちになりそうなのを堪えて、
あたしは葵の手をぎゅっと握った。
「…っはぁ。」
あたしが頷いたのを確認した葵は、
小さく息を吐いた。
「実はあの日…」

