「もしもし…。」
『よう。』
電話に出ると葵は少し
気まずそうにそう言った。
電話の向こうから久しぶりに
聞こえてくる葵の声。
本当はずっと聞きたかった愛しい声。
「なに⁇今更、連絡してくるなんて…。」
心とは裏腹に、冷たく
素っ気なくしてしまう。
『今どこ⁇』
「駅前。」
『ふーん…。暇⁇』
「なんで⁇」
『いいから。』
「なにそれ。」
『いーから。空き地に来い。
来なかったら痛い目みるからな。
じゃーな。早く来いよ。』
「えっ⁇ちょっ、まっ…‼︎」
ープープープー…ー
葵はそう言うと、
一方的に電話を切った。
「来なかったら痛い目みるって…
ただの脅迫じゃん…。」
あたしはそう思いながらも、
今にも雪が降り出しそうな空の下、
空き地に向かって歩き出した。

