ーカランカラン♪ー
「いらっしゃいませー♪」
ドアについていた鈴が鳴ったのと同時に
店員さんの明るい声が店内に響く。
可愛い雑貨が多いせいか、
店内は女性客が大半を占めている。
その中をあたしも
店内の端から、端まで
商品をゆっくりと見て行く。
「…。」
その時、
綺麗なアクセサリーが並ぶ中、
あたしはある商品の前で
立ち止まった。
それは、ピンクゴールドと
シルバーのペアらしきブレスレット。
他にも似たようなブレスレットが
たくさん並ぶ中、なんでか分からないけれど
それだけに目がいく。
「それ、気になります⁇」
「えっ⁇」
あたしがそのブレスレットを
食いつくように見ていると、
後ろから女の店員さんに
話しかけられた。
「いや、あの…。」
「それ、私の手作りなんです。」
「てづくり…⁇」
その女の人はそう言うと
嬉しそうに微笑んだ。
「私、小さい頃からアクセサリーを
作るのが大好きだったんです。
いつかそんな仕事に携われたら
いいなって思ってて。そのブレスレットは
あたしが今までで一番思いを込めて
作って、何度も上司にお願いして
やっと店頭に置いてもらえた物なんです。」
「そう…なんですか。」
その女の人の嬉しそうな
笑顔を見ているとあたしも
なんだかほっこりした。
「他の誰かが大切な人を思って
それを選んでくれたらいいなぁって、
そう思いながら作ったんです♪
それを持った人が離れていても
ずっとその人を想う気持ちを
大切に持ち続けられたらどんなに
幸せなのかなって…♪」
「大切な人…。」
その人の話を聞けば聞くほど、
あたしの頭には葵の顔が浮かんだ。
気付けばあたしは、
そのブレスレットを
離せずにいた。
「お姉さんにも大切な人が⁇」
「あの…その…はい。」
「素敵なクリスマスになればいいですね♪
今日は夜から雪が降るみたいだし
ぐっと冷え込むみたいだから
風邪には気をつけて下さいね♪」
その人はそう言うと、
優しく微笑んだ。
「あの…実は喧嘩してて…。
プレゼント渡そうか迷ってて…。」
「そう言えば…数日前にも
そんな人が来たなぁ…。
私は喧嘩しててもお互い
想い合ってるなら自然と
真心は伝わるものだと思います♪
お姉さんの気持ちだって
きっと彼氏さんにも伝わってますよ。」
「真心…。あの…
これ包んでくれますか⁇」
その人の言葉を聞いた瞬間、
あたしの心の中にあった
重いしがらみがスーッと
無くなった気がした。
「あなたみたいな人にこれを
買って頂けるなんて、
私もとっても嬉しいです♪
今、ラッピングして来ます。
少々お待ちくださいね。」
「はい…。」
その人はそう言うと、
嬉しそうにブレスレットを持って
レジに走って行った。

