そして、
あれからあたしは、
葵と顔を合わせにくくて
わざと慣れない早起きをしては、
登校時間をずらしたり
学校では極力会わないように
教室から出ないようにしたりと
つまらない日々を送った。
今まで一緒にいる時間が
多かったせいか、
葵のいない毎日がこんなに
味気ない物だったなんて…。
今になってよく分かる。
葵と仲直り出来ないで
ズルズル引っ張って数日。
クリスマス当日。
朝家を出た瞬間から、
街はクリスマス一色。
学校に着いても一日中
クリスマスの事で話題は持ちきりだった。
「はぁ…。」
そんな中…あたしは
結局、この日まで
仲直りも出来なかった。
葵も何か連絡をして来るわけでもないし…
学校でも気を使ってるのか
全然会わなかった。
「ねぇ、ひなた⁇
いい加減、仲直りしなよぉ…。」
放課後、ホームルームの後に
早奈英が心配そうに
あたしの顔を覗き込んだ。
「プレゼントだって結局
買わなかったんでしょ⁇」
「うん…。」
「今から行く⁇」
「ううん…。早奈英は今から
亮平とデートでしょ⁇
あたしのことは気にしないで♪」
「ひなたの方が大事だよ‼︎」
「はいはい♪いいから、いいから♪
亮平待ってるんじゃない⁇」
「ひなたぁ〜っ。」
あたしはそう言って、
早奈英の背中を押して送り出した。
教室に一人ぽつんと
取り残される。
「寒っ…。」
窓の隙間風が妙に冷たく感じる。
「帰ろーっと…。」
あたしは鞄を持って、
静かな廊下を一人で歩いて
学校を後にした。

