おばあちゃんが亡くなって
あれから早、二ヶ月が過ぎた。

亡くなってすぐは49日や、
おばあちゃんの遺品の整理で
バタバタだったが、
今はだいぶ落ち着いて、
あたしも学校に通いだすようになった。





そしてー

季節は真冬の12月。

吐く息も白くなって、
底冷えするような寒い
毎日が続いていた。




そんな中、



「ねぇ、ひなたっ。
亮平くんへのクリスマスプレゼント
何が良いと思うっ⁇」


世間はクリスマスシーズン。

早奈英も亮平にあげるプレゼントで
毎日頭を悩ませていた。


「えぇー。亮平の好みなんか
あたし知らないし。」

「そんな事言わないで一緒に
考えてよ〜(泣)」



早奈英はそう言いながら、
あたしの制服の袖を軽く引っ張った。


そんな事言われてもなぁ。
中学の時から一緒だけど
亮平の事そこまで気にしてなかったし。


「ひなたは葵くんに何あげるの⁇」

「え⁇」

「え⁇じゃ、ないでしょっ‼︎
葵くんと過ごす初めての
クリスマスでしょ⁇」


そう言えば…そうだ。

葵と付き合いだしてから
もうすぐ半年。

記念日とかもこれと言って
何もした事なかった。


「あたしは別に…。」

「クリスマスくらいちゃんと
気持ち伝えなきゃ‼︎
カップルにとっては一大イベントでしょ⁉︎」

「だってプレゼントなんか
恥ずかしいし…。」


早奈英に軽く説教されながら廊下を歩く。



「プレゼント⁇」


ー⁇ー


その時、後ろで聞き覚えのある声がした。




「あ…。」



やっぱり。


後ろを振り返ると
そこには宮原先輩が立っていた。

学校で会うのは本当に久しぶりで
なんだか少しぎこちなくなる。


「あ‼︎たくま先輩だ。」

「よ♪」

早奈英が頭を下げると
宮原先輩は笑顔で片手を挙げた。


「で、何の話⁇♪
プレゼントって⁇♪」

「あ、クリスマスプレゼントですっ‼︎」
「ちょっと早奈英っ…‼︎」


早奈英の口を
あたしは手で覆った。

もう‼︎すぐ余計な事言うんだから‼︎



「へぇ〜♪俺にもくれんの⁇
ひなたちゃん♪」

「へっ⁇い、いや。
どうせ宮原先輩、色んな子から
貰うじゃないですか。」

「ひなたちゃんから貰えるなら
俺はそれだけで十分なんだけど♪」



宮原先輩はそう言いながら
あたしの目を見つめた。



ゔ…。
宮原先輩の態度には
相変わらず慣れないでいる。

このペースに飲まれたら
きっと断れなくなる。


「俺もうすぐ卒業だしさ、
最後くらい‼︎♪」

宮原先輩はそう言うと
あたしに頭を下げた。


「え、いや、あのっ。あたしは…」