どれくらいの時間がだったのだろう。
その後泣きじゃくるあたしは
葵に支えてもらいながら
霊安室を出て医者に案内された部屋に入る。
「初めまして。私、やすよさんの
主治医をしていた安藤と申します。
これからやすよさんの死因について
説明させて頂きます。」
「…。」
「やすよさんは日頃から血圧が高く、
血圧を下げる薬を処方していました。
高血圧は高血圧による動脈硬化が原因で
脳や心臓に血管障害を引き起こしやすく
なるんです。その為、やすよさんは
心筋梗塞が大きな死因と考えられます。
心筋梗塞は発症してすぐに処置をすれば
生存率は上がりますが、やすよさんの場合
発症してから見つかるまでの間が
6時間はあったと見られます。」
「心筋梗塞…。」
あたしの代わりに
葵が親身になって
説明を聞いてくれていた。
医者の難しい説明も、
全然理解出来なくて…
心の余裕なんて全くなかった。
「親族の方はお孫さんだけになりますか⁇」
「…。」
「はい。両親共にいないし、近くに
頼れる身内もいないと思います。」
「あなたは⁇」
「俺は…彼氏です。」
「あぁ、あなたが。やすよさんが
常日頃、お孫さんとあなたの事を
嬉しそうに話していました。
では…こちらで葬儀場や火葬場の
手配をさせて頂きます。
また詳しい日時など決まり次第
すぐに呼びます。院内でお待ちください。」
「わかりました…。」
「やすよさんの分まで彼女を
よろしくお願いします。」
医者はそう言うと
あたし達に頭を下げて
部屋を出て行った。

