星空の日に






朝方あたしは、
懐かしい思い出を夢に見た。





家の庭でおばあちゃんと
シャボン玉をしたり、
縁側に2人で座って
おやつを食べたり。



おばあちゃんが淹れてくれる
お茶は本当に美味しくて
あたしが美味しそうに飲むと
嬉しそうにしてたっけ。



子供の時、誕生日の日に買ってくれた
スケッチブックとクレヨンで
おばあちゃんの似顔絵を
何枚も何枚も描いて…。
あたしがあげた似顔絵は
一枚たりとも残さずに
家の壁に飾ってくれていた。



初めて自転車に乗る時も
朝から晩まで練習してくれたのも
おばあちゃん。

初めて喧嘩して、
泣いて帰って来た時も
我慢することの、大切さを
教えてくれたのも
おばあちゃんだった。


人付き合いが下手くそなあたしを、
黙って見守ってくれて…
初めて出来た友達を連れて来た時も
おばあちゃんはあたしより
喜んでくれたっけ…。














「‼︎」


現実に戻り、あたしは
勢いよく体を起こす。


「…はぁ、はぁ…。」

「どうした⁇」


ー‼︎ー



声をかけられて隣を見ると、
葵も体を起こしていた。


窓に目をやると、
朝日が部屋に射し込んでいる。



「あ…ごめん。起こしちゃった…。」

「いや、起きてた。なんかあった⁇」


あたしの様子を伺うように
葵はあたしの顔を見る。


「おばあちゃんの夢を見た…。」

「おばあさんの夢⁇」

「子供の頃の思い出の夢…。
けど…どこか寂しくて…。」




ー♪〜♪ー



「⁇」



その時、
枕元に置いてある携帯が
静かな部屋に鳴り響いた。

あたしは携帯を手に取る。

知らない番号…。
なんでかわからないけど…
胸がザワザワした。






「…ん〜。おはよ〜…。
あれ⁇ひなたと葵くん
早起きだねぇ…。」

「ふぁ〜。」



携帯の着信音で寝ていた
早奈英と亮平も目を覚ました。



「ひなた⁇」

「あ…うん。」



知らない番号からの
鳴り響く着信音に
あたしは戸惑いながらも電話に出た。