それからあたし達は
花火を片付けてロッジへと戻り、
交代でお風呂に入って
ロッジの二階に布団を4つ並べて敷いた。
「私もう眠い〜。」
早奈英はそう言うと、
真ん中の布団に寝っ転がった。
「あたしも疲れたなぁ…。」
あたしも真ん中の
早奈英の隣の布団に寝っ転がった。
「じゃあ、明日もちょっと早いし
そろそろ寝っか♪」
「「賛成〜。」」
亮平の言葉にあたしと
早奈英の返事がハモる。
亮平は右端の早奈英の隣。
葵は左端のあたしの隣に横になった。
葵の方に目をやると、
小さな子供のように
あくびをしながら目を
こすっていた。
布団一枚の距離に
葵が寝てるって考えたら
少しだけドキドキする。
「電気消すぞ〜。」
「はーい。」
部屋が真っ暗になる。
「おやすみ〜。」
「「おやすみ〜。」」
電気を消してしばらくは
目を閉じたり開けたりを
あたしは繰り返していた。
30分くらいすると、左隣から
早奈英と亮平の寝息が聞こえ始めた。
あたしも早く寝なきゃ…。
そう思いながら仰向けに
していた体を横に向ける。
「葵…⁇」
真っ暗の中、横を向くと
隣にいる葵はまだ起きていた。
小さな声で葵に声をかける。
「寝れないの…⁇」
「ん。」
「そっか…。」
あたしは葵の足元にあった
タオルケットを葵のお腹に
優しくかけた。
「暑い。」
「ダメ。風邪引くよ…。」
あたしがそう言うと、
葵は大人しくなった。
少しだけ…
葵の方に寄る。
そして、
ートン…トンー
「…‼︎」
あたしは子供を寝かしつけるように
葵のお腹を優しく、ゆっくり叩いた。
「俺は子供じゃねぇよ…。」
葵はそう言いながら
少しだけ顔を赤くした。
「うるさい。子供の頃、
おばあちゃんが寝れない
あたしの為にこうやって、
よくしてくれてたの…。
安心するし、よく眠れるんだよ…。」
小さい頃、お父さんやあの女の
帰りを寝ないで待っていたあたしを
おばあちゃんはこうやって
寝かしつけてくれていた。
大丈夫だよ。
って、言われてるみたいで
安心出来たことを今でも
鮮明に覚えている。
「ほら、目を閉じて…。」
「…。」
あたしの言葉に
葵は黙って従った。
その夜あたしは、
自分が眠りにつくまで
葵に寄り添って
葵が眠るのを見ていた。

