星空の日に




「あ…。」


目の前にいる人を見て言葉が詰まった。





「なあ。何を知ってんの⁇
俺にも教えてくんない⁇」


その人は朝とはまったく違う
怖い表情で亜美につめ寄る。


「りょ、亮平くん…。」


亜美はただならぬ雰囲気を
察したのか、顔を強張らせた。


「別に噂話をするなとは言わねぇけど。
ありもしないような噂話は
好きじゃないんだよねー。俺。」


その男の子はどんどん
亜美との距離を詰めて行く。

それと同時に
亜美も一歩、また一歩と
後ろへ後ずさりする。



「ひなたの苦労や辛さが
お前にわかんの⁇」

「そ、それは…」
「まだつまんねぇ噂話がしたい⁇」
「私はただっ…」
「次、変な噂流してるとこ見たら
許さないからね♪」


その男の子は意味深な
笑顔を見せた。


「っ…‼︎」


「亜美っ…‼︎」


亜美は目に涙を溜めながら
そのまま走り去ってしまった。







その場に私はただ一人
取り残される。







「で⁇あんたも面白おかしく
あいつの噂流すの⁇」

「え…⁇」



亜美が走り去った後、
その男の子は後ろを振り返り
私に問いかける。



「私はそんな事しない‼︎‼︎」


私は力の限り声を張った。
ただ…亜美や周りのみんなと
一緒にして欲しくなかった。



「クスクス…(笑)」

ー‼︎ー


そんな私の姿を見て
その男の子は小さく笑い出した。



「な、なにが可笑しいの⁉︎」

それを見た私は自分でも
腹が立つのが分かった。


こんな人、全然優しくない‼︎
普通ここで笑う⁉︎



私が呆れ返って
男の子に背を向けた時だった。



「分かってる。ちゃんと見てた。」

「え⁇」

「周りの奴があいつの事悪く言う中、
かばってくれてさんきゅ。」



後ろを振り返るとその男の子は、
さっきとはまた違う笑顔を私に見せた。





亮平くんとの出会いも
これがキッカケだった。