あたしに寄りかかる葵を
起こさないように
莉緒さんや早奈英達と
世間話をする。
車の窓を少しだけ開けると
外はまだ蝉の鳴く声がした。
車を走らせてかれこれ2時間。
日陰になっていて涼しげな
山の中にあるキャンプ場に着いた。
莉緒さんは出来るだけ
歩かなくて済むように
行ける所まで車を走らせる。
「よしっ、着いたよ〜‼︎」
莉緒さんは車のエンジンを
切って外に出た。
「んん〜‼︎長かったぁ〜‼︎
莉緒さんありがとうございました〜‼︎」
「さっきまでの暑さが
嘘みてぇだな〜。」
早奈英と亮平も外に出て、
体を伸ばしていた。
「葵⁇着いたよ⁇」
「…。」
あたしは、寄りかかったまま
起きようとしない葵を
優しく揺さぶる。
だけどいくら声をかけても
反応がない。
「葵〜⁇おーい。」
「…。」
ったく…。
起きそうにないな…。
「あ〜お〜い〜っ。」
あたしは寄りかかる葵の耳元で
少しだけ声を張った。
「‼︎」
「あっ…」
その時だったー
葵はあたしの声に驚いて
勢いよく体を起こした。
それと同時にあたしは体勢を崩すと、
そのまま葵の背中に
もたれかかる様な体勢になった。
「…。」
いきなりの事で声が出ない。
あたしは、抱きつく様な体勢のまま
その状態から動けなくなった。
「おい。」
ー‼︎ー
「あっ…はい‼︎」
葵に声をかけられ、
あたしは我に返ったように
慌てて葵から離れた。
「何、してんの⁇」
「あ、あのっ…別になにも‼︎」
「寝てるとこ襲おうとしてんの⁇(笑)」
ー‼︎ー
「ち、違うしっ‼︎‼︎」
急に恥ずかしくなったあたしは
葵に背を向けた。
葵が起きないからじゃんっ‼︎
お、襲おうなんてしてないし‼︎
顔から火が出そうなくらい
顔が熱くなるのが分かった。
「じょーだん。」
そんなあたしを見て
葵はクスッと小さく笑った。
「降りるぞ。」
そして葵はそのまま
後部座席のドアを開けて外に出た。
「ちょっ、ちょっと待ってよ‼︎」
あたしも慌てて
葵について行くように
後部座席から外に出た。

