おばあちゃんとおじいちゃんは
いつもどんな時でも優しかったし
お父さんも仕事が休みの日には
自分の時間をさいてでも
あたしと遊んでくれた。
ただそこに
お母さんの姿が
無かっただけで…。
だけど…
そんなある日の事だった。
その日は朝から
ひどい雨だった。
ー♪〜♪ー
「おばあちゃんお電話なってるよぉ。」
「はいはい。」
あたしが和室で
人形遊びをしている時だった。
静かな家の中に
一本の電話が響き渡る。
「はい。もしもし。
…そうですが…。
え…そんな…‼︎」
ー⁇ー
電話に出るなり、
おばあちゃんはずっと黙っていた。
小さかったあたしは
特に気にする事もなく
ただ一人で遊んでいた。
だけどその日以来、
お父さんは家に帰って来なかった。
その日は本当に雨が凄くて
家から一歩も出られなかった事を
今でも覚えている。
「おばあちゃんパパは
まだ帰って来ないの⁇」
「ひなたちゃん…。
お父さんはね…
天国に行ったんじゃよ…。」
「天国⁇それってなぁに⁇」
「お空の上じゃよ…。
良い人しか行けないんじゃ…。」
「良い人⁇じゃあパパは
凄いんだね‼︎ママみたいに
しばらくすれば帰って
来るんだよね⁇ひなた、
おりこうさんにしとかなくちゃ‼︎」
「そうじゃよ…。」
あの時のあたしは
まだまだ子供で…無知で…。
天国の意味すら分からなかった。
だけど今となっては
何も知らないこの時の方が
幸せだったんだと思う。

