星空の日に




「13年前の今日。ひなたちゃんが
まだ4歳の時じゃったのぉ…。
ひなこはこの家から何も言わず出て行った…。」



「…。」




13年前の今日…。

そうだ…。
あたしの人生が狂った日。



あたしは思い出すのが
嫌で嫌で仕方なくて…
毎回、この日だけは
忘れようと思って生きてきた。


だけどおばあちゃんは
この日が来る度に
あの時の事を思い出しては
あいつが家を出た理由を
考えて…悩んで…
苦しんで来たんだ。





「13年経った今でも…
ひなたちゃんを置いて
家を出た理由が見つからないんじゃ…。
いくら考えてもあんなに優しかったあの子が
どうして実の娘にこんな酷い仕打ちを
するのか…分からないんじゃ…。」




おばあちゃんはそう言いながら
目を閉じて涙をこらえていた。



「やめておばあちゃん…。
あたしは思い出すこと自体、
苦痛で仕方ない…。
何が理由だとか…そんなの関係ない。
もう過ぎた事なの。
あたしは…傷ついてなんかないから。」


「ひなたちゃん…。」


「もう…行くね。
行ってきます。」


「ひなたちゃん…待っておくれ‼︎」





ーバタンッ‼︎ー








あたしはおばあちゃんの声を無視して
勢いよく玄関のドアを閉めた。





「はぁ…。」



まだ残暑が残る朝は
蒸し暑くて…
嫌気がさすほどだった。