その日の夜、
あたしは不思議な夢を見た。
目の前には女の人がいて、
あたしはその人を見るたびに
苦しくなったり…
どこにもぶつけようのない思いになったり…。
お互いに距離があって…
だけど、お互いに何を
思ったのか…
気付いたら涙を流してた…。
あの女の人が誰で
何を訴えているのか…。
あたしはただ黙って
うつむいていた。
* * *
ー♪〜♪ー
「んっ…。」
枕元で鳴り響くアラームで
あたしは夢から覚めた。
手探りで目覚ましを止める。
「うぅ〜…。」
久しぶりに早起きした…。
うぅ…。
まだ起きたくない…。
なかなか開けられない目。
あたしはベッドの上で
足をバタバタして
子供の様に駄々をこねた。
けど…
「起きよう…。」
葵の顔が頭に浮かぶと
不思議とどうしようもなく
会いたくなった。
人を好きになるって…
ドキドキしたり
悲しくなったり…
忙しいんだなって思う。
気持ちがついていかない。
あたしは眠い目をこすりながら
ベッドから下りて、
家を出る準備をし始めた。

