「「ごちそうさまでした。」」
しばらく3人で
会話をしながらあたしと葵は
食事を済ませて一緒に手を合わせた。
「後は片付けておくから、
ひなたちゃんは葵くんと
話してくればええよ。」
おばあちゃんはそう言うと、
お皿を重ねて流し台まで運んだ。
「あ、俺がしますよ。」
「あたしがするから2人とも座ってて‼︎」
「大丈夫じゃよ。ほら、
話しておいで。」
おばあちゃんは後片付けを
手伝おうとするあたしと葵の手から
お皿を受け取って微笑んだ。
「ごめんね、おばあちゃん…。」
「ありがとうございます。」
あたしと葵はおばあちゃんに
言われるがまま、
二階のあたしの部屋へと向かった。
ーガチャー
「どうぞ。」
「ん。」
部屋のドアを開けて、
葵を迎え入れる。
なんだかんだ言って
自分の部屋に男の子を入れるのは
初めてだった。
どうしよう…。
ドキドキする…。
無意識に無言になる。
どうしよう…
どうしよう…‼︎
「ふっ。そんな強張った顔しなくても
なんもしねぇーよ。」
「…なっ⁉︎」
そんなあたしの態度を察したのか、
葵は軽く笑って見せた。
「べ、別に強張った顔なんか
してないしっ‼︎」
「は⁇(笑)
お前、鏡で自分の顔見てみ⁇」
葵はそう言うと、テーブルの
上に置いてあった鏡を
あたしに押し付けてきた。
「いいいい、嫌だ‼︎」
あたしは慌てて、手のひらで顔を覆う。
「はは(笑)変な奴。」
「っ…‼︎」
全部見透かされてるみたいで
自分が恥ずかしくなる。
けど…
泣き顔を見た後だから
こうして笑っているのを見ると
心の底からホッとした。
「ふぅ…。」
「眠いの⁇」
「んんー。」
あたしの横で葵は伸びをして
ベッドにもたれかかる。
「家には帰らないの⁇」
「しばらくは帰んねぇー。
亮平ん家にでも行く。」
「ここにいても…いいよ⁇」
「お前はアホか。
おばあさんにも迷惑なるし。」
「そんなことないのに。」
あたしがうつむくと、
葵はベッドにもたれながら
あたしの顔を見る。
「一応、俺も男。
一晩中、横で寝るって意味
分かってんの⁇」
「‼︎」
そ、そう言われてみれば…
あたしったらなんて
恥ずかしいこと
言ってるんだろ…‼︎
葵もれっきとした男‼︎
男‼︎男‼︎‼︎男‼︎‼︎‼︎
あたしは葵の言った言葉の意味を
ようやく理解した。
「それに、お前の事
大事にしていきたい。
だからもっと時間かけてから。
期待させて悪いけどな(笑)」
「…。」
言葉が出なかった。
恥ずかしいのと…
大事にしたいって言われて
凄く嬉しいのと…。
「うん…。」
「ったく。わかりやすい奴だな。」
葵はそう言うと
あたしに近づいて
そっと、おでこにキスをした。
「…‼︎‼︎‼︎」
「後はお預けな。」
葵はそう言って
いたずらっぽく舌を出して笑った。
「ば、バカ…‼︎」
あたしが軽く葵の肩を叩くと
葵は優しく微笑んだ。

