2人で並んで空き地を出る。
空き地からの帰り道、
もう何回、葵と歩いただろう。
今では一緒に来るのが
当たり前になっていて
不思議な気持ちになる。
しばらく歩くと
あたしの家が見えてきた。
鞄から鍵を取り出して
ドアを開ける。
「ただいま〜。葵も連れてきたよ〜。」
「お邪魔します。」
あたしは台所にいるであろう
おばあちゃんに声をかけた。
「上がって〜。」
「ん。」
葵は短く返事をすると
靴を脱いであたしと
リビングに向かった。
「おばあちゃん⁇」
台所にいるおばあちゃんを覗き込む。
「おやおや。おかえり。
いつの間に帰ってきたんじゃ⁇」
「今だよ〜。
返事がないから心配した。」
「ほほほ。すまないねぇ。
最近、耳が遠くてのぉ。
今、ご飯よそうから待ってなさい。」
「いいよ〜。あたしがするよ。」
あたしは微笑みながら
ご飯をよそおうとするおばあちゃんから
しゃもじを受け取る。
ー‼︎ー
「あれっ⁇おばあちゃん…
もしかして体調悪いの⁇」
ご飯をよそおうとした時だった。
テーブルの上に置いてある
小さな小瓶に入った高血圧の
薬が目に付いた。
「心配ないよ。おばあちゃん、
すこぶる元気だからねぇ。」
おばあちゃんはそう言うと、
小瓶を棚の上にしまった。
「無理しないでよ⁇
何かあったらすぐに言ってね⁇」
「分かったよぉ。」
おばあちゃんはあたしの小言に
はいはい、と頷いて
笑って見せた。
見た感じ、元気そうだし…
あたしはそれ以上何も聞かずに
ご飯をリビングに運んだ。

