それから1時間くらい、
あたしと葵は木の下で話をしていた。
深い話をするわけでもなく、
ただお互いが笑っていられる話。
「そろそろ行こっか。
おばあちゃん待ってるかも。」
「ん。」
あたしが立ち上がると、
葵も立ち上がった。
「ひなた。」
「ん⁇」
立ち上がってスカートについた土を
払っていると葵があたしの名前を呼んだ。
「今日は本当にありがと。
もう落ち着いた。」
ー‼︎ー
「ううんっ。良かった。」
葵が珍しくあたしに
頭を下げた。
いつもより素直でびっくりしたけど…
少しだけ、
本当に少しだけでも
葵の支えになれた気がして
嬉しかった。
いつものこの空き地から見える星は
葵と初めて2人で話した時みたいに
輝いて見えた。
1人で見上げる夜空よりも、
もっともっと綺麗で…
心が満たされる、
そんな気がした。

