葵はあたしの腕を引く
力がどんどん強くなっていた。
引っ張られるように
葵についていく。
だけど葵はただ前を向いて
足早に歩くだけだった。
「葵っ…痛い‼︎」
「…。」
あたしの声は葵に
届いていないみたいだった。
いったい何があったの…⁇
「葵ってば‼︎‼︎」
「…‼︎」
あたしが葵の手を振り払い、
立ち止まると葵はやっと
我に返ったように見えた。
「わりぃ…。」
あたしの反応を見て
葵は申し訳なさそうに謝った。
「何があったの⁇」
「…。」
「あたしには何も話せない…⁇」
「…。」
あたしの問いかけに
葵はただ黙ってうつむいている。
「分かった…。聞いてごめん。」
あたしは葵に背を向けて
家に向かって歩き出した。
こんな風に怒ってる葵を
見たのは初めてで…
あたしもどう接していいのか
分からなくなっていた。
とりあえず気まずい…。
帰ろう…。
「待って。」
「‼︎」
その時、歩き出したあたしを
葵は引き止めるように手を掴んだ。
「お前にはちゃんと話す…。」
「葵…。」
葵の顔を見たあたしは、
葵の言葉にただ黙って頷いた。

