正門を出ていつもの
帰り道を2人で歩く。
この河原を過ぎて次の角を曲がると
あたしの家の方向。
葵はどの辺に住んでるのかな…。
あたしは少し前を歩く葵の
背中を見ながら辺りを見回す。
お互い特に喋らないまま、
あたしはとりあえず
葵についていく。
学校からどのくらい
歩いただろう。
葵は路地裏にある
茶色い壁が特徴的な
大きな家の前で立ち止まった。
「ここ⁇」
「ん。」
「大っきい家…。こっちに
引っ越して来てから建てた家⁇」
「いや、親父の実家。
爺さん、婆さんは亡くなって
引っ越して来るまでは
誰も住んでなかった。」
「そうなんだ…。」
「中入れば⁇」
「あ、うん。」
葵は鞄から鍵を取り出して
玄関の鍵を開ける。
ドアを開けて、あたしを
中に入れてくれた。
「…。」
ー⁇ー
葵は家の中に入るなり、
その場を動こうとしなかった。
「どうしたの葵⁇」
あたしは不思議に思い、
葵の顔を覗く。
葵は玄関に置いてある靴を
怖い顔で見つめていた。
玄関には男物の黒い革靴と
女物のハイヒールがあった。
「葵…⁇」
「ここで待ってろ。」
「え…。う、うん。」
葵はあたしを玄関で待つように言うと
部屋の奥へと入って行った。

