星空の日に

早奈英に右手を引かれながら
あたしは廊下を歩く。



ーガヤガヤー


「??」


廊下をちょっと歩くと
廊下の先に人だかりが出来ていた。

「なにあの人だかり~!!
いこ、ひなたっ!!」


「えっ~」


早奈英はあたしの右手を掴んだまま
小走りに廊下を走った。










ー2-Dー

D組の前に着くと、そこには
たくさんの人に囲まれた
あの、男の子が立っていた。


「あ…。あの人」

「え、ひなた知り合い??」

「朝の人」

「あの人が噂の転校生??
うひゃー、綺麗な顔立ち~!!
そりゃ初日早々、人気者に
なるわけだねー!!
しかもあの制服、
お金持ちんとこのー!!」


早奈英はそう言うと
はしゃぎ始めた。



あの男の子は、朝とおんなじ
無愛想で、どことなく
照れくさそうにしていた。



「早奈英~、あたし人混み苦手だし
教室帰ろーよ~」


「え~もおちょっと~!!」

「はあ…。んもぉ~…」


小さくため息をはく。







「あ…」


「!!」



ふとした瞬間、
あたしは男の子と目があった。



その男の子は人混みを避けて
あたしの方に近づいてくる。





え、やば。
近づいてくる…。





「今日は、ありがとう。
おかげで助かった。」


「へっ…??え、あ、うん。
どういたしまして…。」

まさかあの無愛想な人が
自分から声をかけてくるなんて…。

男の子は無愛想ながらも
ちょっとだけ笑ったように見えた。



「俺、櫻木葵。(サクラギアオイ)
名前くらいちゃんと
名乗っとこうと思って。」


「あ、え、えっと…佐々原ひなた。
あたしの名前…。よろしく。」

「おう。」



男の子はそう言うと
あたしのそばから離れていった。


「ねぇねぇっ、ひなた♪
なに話してたの~??
いいな、いいなあー♪」


「とくになにも…。」


櫻木 葵…。



無愛想で変な人だと思ったけど、
ちょっとだけいい人に
見えた気がした。