星空の日に







ーガチャッー


「ただいまー。」



玄関に入って靴を脱ぐ。



「おばあちゃん⁇今帰ったよー。」

「あら。おかえり。
ご飯出来てるよ。」



台所を覗くと、
おばあちゃんは
洗い物をしていた。



「ありがとー。
お腹ぺこぺこ。」


「手洗いうがいしてから
食べるんだよ。」

「はーい。」




おばあちゃんに言われ、
あたしは洗面所で手洗いうがいを済ませて
リビングの椅子に腰を下ろした。



ふと、台所のテーブルに目をやると、
テーブルの上には美味しそうな明日の
お弁当のおかずが並んでいた。



「美味しそうーっ‼︎
おばあちゃんありがとうっ。」


「たいしたものじゃないけどねぇ。」

おばあちゃんはあたしの
嬉しそうな顔を見ると
優しく微笑んだ。


「おばあちゃん、
今回は足が痛くてねぇ…。
見に行ってあげられなくて
すまないねぇ…。」


「ううん‼︎
おばあちゃんの体の方が大事だし、
あたしのことは気にしないで♪」


申し訳なさそうにうつむく
おばあちゃんの手を、
あたしは優しく握った。



「そう言えば…お弁当、
誰かに持っていくのかね⁇」


「えっ…あ、うんっ。」


「お友達かい⁇」


「うん…。友達っ。」


おばあちゃんに問いかけられ、
葵の顔が浮かぶ。


「そうかい、そうかい。
沢山持って行っておやりよ。」


「ありがとう…。」


ニコリと微笑むおばあちゃんに、
あたしも笑顔を返す。

それと同時に、
嬉しそうに食べる葵を想像すると
妙に、嬉しく思えた。


葵…
喜んでくれるかな…。


葵の事を考えれば
考えるほどあたしの
食事する手は一向に進まなかった。