自販機から少し歩いて
空き地に着くと、
あたしと葵はいつもの場所に
2人並んで座った。
「そういえば、葵と色んなこと
話したのもここなんだよね。」
「そうだっけ。」
カフェオレを開けて
ひとくち飲みながら
葵は空を見上げた。
「そうだよー。最初会った時は
めちゃくちゃ無愛想で
全然笑わないし…。
だけど今はこうして
仲の良い友達になれて
本当に良かったって思ってる。」
「そ…。」
「あたしね、小さい頃
生まれ変わったら星になりたいって
ずっと思ってたの。」
「星に⁇」
「うん…。だって星になれば
何処かに行ってしまったお母さんも
空の上からすぐに見つけられるから。
暗くなった家族の仲を…
光で照らせるって思ったから…。」
そうすればきっと
お母さんも戻ってきて、
お父さんが死ぬことも無くて…
おばあちゃんもずっと笑顔でいれて
おじいちゃんはもっと
長生きしていたかもしれない…。
「けど…あたしがなりたかった星は
葵がなってるみたい。」
「俺が星⁇」
葵は首を傾げて
きょとん、としている。
「あたしがみんなにあげたかった光は、
葵があたし自身にくれた。
あたしの心に葵が光をくれた。
誰かを信じる心を
葵はくれたでしょ⁇」
「変な奴…。」
あたしが笑いかけると、
葵は顔を赤くしながら
うつむいた。
「星、綺麗だね。」
見上げるとそこには
いつもと変わらない星が
沢山広がっていた。
「俺の中でお前は…あれ。」
「え⁇」
その時、
葵がいきなり夜空を指差す。
葵が指差した先には、
星空の中でも一番
光って見える星だった。
「お前も俺に光をくれてる。」
「葵…。」
少しだけ笑って見えた葵の顔に
あたしは少しだけ、
本当に少しだけ…
胸が熱くなった気がした。

